社内の内部統制と統合的なセキュリティ対策にFortiGateを導入製造業におけるサイバーセキュリティ強化：FortiGate 80Fによる中小企業の成功事例

　静岡県の製造業界において、サプライチェーンの重要性は日々高まっています。グローバル化が進む中、取引先との安全なデータ交換や、自社の機密情報保護は企業の生命線となっています。今回は、従業員約80名の製造業企業が、FortiGate 80Fを導入してサイバーセキュリティ対策を強化した事例をご紹介します。

　この企業は、自動車部品の製造を主力事業としており、大手自動車メーカーとの取引を通じて着実な成長を遂げてきました。しかし、近年のサイバー攻撃の増加と、取引先からのセキュリティ要件の厳格化に伴い、より強固なネットワークセキュリティ体制の構築が急務となっていました。

　FortiGateの導入以前、この企業では基本的なファイアウォールと無料のアンチウイルスソフトを使用するのみで、高度なセキュリティ対策は十分ではありませんでした。マルウェアやランサムウェアの脅威が増大する中、経営陣は社内の情報資産保護と取引先からの信頼維持のため、包括的なセキュリティソリューションの導入を決断しました。

　FortiGate 80Fは、中小企業向けに設計された次世代ファイアウォール（NGFW）です。このデバイスは、コンパクトなサイズながら高性能を誇り、10 Gbpsのファイアウォールスループット、1 Gbpsの IPSECスループット、そして900 MbpsのNGFWスループットを実現します。さらに、内蔵ストレージや高速なNPU（ネットワークプロセッシングユニット）を搭載し、高度な脅威検知や暗号化トラフィックの検査を効率的に行うことができます。

　導入プロセスでは、まず社内ネットワークの現状分析と脆弱性評価を実施しました。その結果、未知のマルウェアに対する防御が不十分であることや、従業員のインターネット利用に関する明確なポリシーがないことなどの課題が明らかになりました。

FortiGate 80Fの導入により、以下のような改善が実現しました。

1. 高度な脅威対策：FortiGate 80Fに搭載されたAI駆動の脅威インテリジェンスにより、未知のマルウェアやゼロデイ攻撃からのリアルタイム保護が可能になりました。
2. セグメンテーションの強化：社内ネットワークを部門ごとに論理的に分離し、万が一の侵害時にも被害を最小限に抑える体制を整えました。
3. VPN接続の安全性向上：リモートワーク環境下でも、SSL-VPNを通じて安全に社内リソースにアクセスできるようになりました。
4. Webフィルタリング：業務に関係のないウェブサイトへのアクセスを制限し、生産性向上とセキュリティリスクの低減を同時に達成しました。
5. アプリケーション制御：不要なアプリケーションの使用を制限し、ネットワークリソースの最適化とセキュリティ強化を実現しました。
6. ログ管理と可視化：FortiAnalyzerとの連携により、ネットワークトラフィックの詳細な分析と可視化が可能になり、セキュリティインシデントの早期発見と対応が容易になりました。

　導入から１ヶ月後、この企業では目覚ましい成果が見られました。マルウェア検知数は前年比で80%減少し、不審なネットワークアクセスも95%以上ブロックされるようになりました。また、従業員のセキュリティ意識も向上し、フィッシングメールへの対応力が大幅に改善されました。

　さらに、FortiGate 80Fの導入は、取引先からの信頼向上にもつながりました。大手自動車メーカーが実施するセキュリティ監査において高評価を獲得し、新規案件の受注にも好影響を与えています。

　経営陣からは、「FortiGate 80Fの導入により、当社のセキュリティレベルが飛躍的に向上しました。従業員が安心して業務に集中できる環境が整い、生産性の向上にもつながっています」とのコメントをいただきました。

　この事例は、中小製造業企業におけるサイバーセキュリティ対策の重要性と、適切なソリューション選択の効果を示しています。FortiGateのような包括的なセキュリティアプライアンスの導入により、限られたリソースでも高度なセキュリティ体制を構築できることが証明されました。

　今後のサイバーセキュリティ対策において、この企業では定期的な脆弱性評価とセキュリティトレーニングの実施、そしてFortiGate 80Fの機能を最大限に活用するための継続的な運用改善を計画しています。製造業におけるデジタル化が進む中、こうした積極的なセキュリティ投資は、企業の持続的な成長と競争力強化に不可欠となっていくと考えています。